今回の記事では、新規顧客が、リピーターになる上で、重要なキーワードとなる、自己実現について、紹介します。
自己実現欲求とは、字の通り、なりたい自分になろうとする欲求のことです。
マズローが提唱している、欲求五段階説に大きく関連していて、社会が発展するにつれ、人間の基礎欲求である、
- 生理的欲求
- 安全欲求
- 社会的欲求
- 承認欲求
が満たされるようになり、さらに上位の欲求である、自己実現欲求を次は満たそうとするはずだ、という理論です。
この自己実現欲求を、経済学者のフィリップ・コトラーが、マーケティング戦略にも活かすべきだと主張しています。

マズローは心理学者で、コトラーは経済学者だよ。
コトラーについて
コトラーの名前を初めて聞いた方もいらっしゃると思うので、主な功績を記しておきます。
実績 フィリップ・コトラーの功績
- 経済学者として、多数の論文、著書を執筆。マーケティング界の第一人者とも。
- STP分析の提唱者。有名なマーケティングのフレームワーク。
- マーケティングの体系化をした人物。フレームワークなど、学習、実行しやすい形に落とし込んだ。
特に、三つ目に挙げた、マーケティングの体系化というのは、実際に『コトラーのマーケティング4.0』などの書籍でまとめられています。
これは、最初に出された1.0から、最新の4.0まで、計4バージョン存在するので、3.0までの流れを確認しつつ、4.0について見ていきましょう。
コトラーが提唱する、マーケティング1.0~3.0
最先端と呼ばれるマーケティングが、時代と共に変化していることを踏まえて、見ていきましょう。
マーケティング1.0:製品中心の考え方
大量生産・大量消費が技術的に可能になる、産業革命期にマーケティングは始まります。
1960年頃には、4P分析が普及し、どれだけ品質面や価格面で良い商品を作るか、どう消費者に伝えるかという、製品中心にマーケティングが行われていました。
マーケティング2.0:消費者中心の考え方
マーケティング1.0の製品中心のマーケティングが最先端でしたが、1970年代に石油ショックが発生し、消費者が大量消費を行わなくなりました。
需要が落ち着いたことで、企業は、顧客を集めることが求められるようになり、STP分析など、差別化を行うようになりました。
関連 値段を競合より安くすることは、差別化といいません。正しい意味を知っていますか?

マーケティング3.0:価値中心の考え方
マーケティング2.0に始まった、差別化の動きが、マーケティング3.0では、さらに重要視されるようになります。
1990年代に、インターネットの登場、発達により、消費者は今まで以上に情報を集めやすくなりました。
その影響で、企業は、口コミなどの消費者の意見を意識することが求められ、消費者と共に創る、「共創」という概念もこの頃に、生まれました。
同時に、インターネットによって、世界で起きている人種差別などの社会問題を知ることが可能になり、経営理念やビジョンなど、企業の在り方についても注目されるようになりました。
マーケティング4.0:自己実現の考え方
マーケティング3.0までに、消費者は世界中のどこからでも欲しい商品、情報を集めることが出来るようになりました。
それにより、「どこで買えるか」という考え方から、「どこで買いたいか」という考え方に消費者はシフトするようになりました。
これが、自己実現欲求に関連していて、今のマーケティングで求められることなのです。

〇〇を買いたいから、この企業のサイトに行こう
このAさんの行動こそが、現代の消費者を表しており、
「〇〇と言ったら、この企業」というような状況を作り出すことが重要となってきます。
関連 「〇〇と言ったら、この企業」となるには、どうすればよいか、以下の記事で述べています。
